92歳男性ひとり暮らしのお客様。脊柱管狭搾症・椎間板ヘルニア・糖尿病と共に生きる。
- 2022/12/23 (金)
先日出会ったお客様は、タイトルの通り。
スマホを持っていなくて
ホテルの電話を使って
104で聞いたりして
3件目でわたしと繋がったようです。
令和4年にして、このアナログさ。
衝撃を受ける。
104ってまだあるんだって思っちゃった。
必要な人がいる限り
残して欲しいよね。
地方から旭川の病院に通っていて
その時は息子さんが一緒に来てくれるとのこと。
ご挨拶。
お話は軽快でお元気😆!
何より!
ただ、92歳のお体はそうはいかないようでした。
『苦しくて仰向けができません』と言うので
横向きでの施術を。
なるべく体位を変える負担がないように
ベッドの広さ、施術する側のスペースをよく考慮して
最初のポジショニングをする。
これが結構大事。
枕を使って腕で抱えてもらったり
脚に挟めたりする。
筋肉は痩せて皮膚は薄いので
関節や骨同士が当たって
痛みやアザにならないように配慮。
私たちが普段している当たり前の動きや体勢も
ご高齢の方には当たり前じゃない。
必ず確認しながら行う。
腰と肩が特につらいとのこと。
『手術の痕のところは触らないでください』と言うので
場所をしっかり確認。
体全体をゆっくり擦り施術スタート。
お話の中で、何気に現状を把握。
腰が曲がり歩くのは一苦労。
痛み止を飲んでいる。
脊柱管狭搾症の手術をしたけど痛みは取れず
2度目の手術は体への負担が大きすぎると
言われお断りされてしまったとのこと。
ご飯は美味しいですか?と聞くと
糖尿病で、好きなものは基本食べれないらしい。
笑顔になってもらえるような質問を考えながらも
施術は進む。
指圧での施術はアザになりやすいうえに
刺激が強いはず。
手のひらや、手根の面で捉えて
揉んでみたり、揺らしてみたり。
ポイントを押さえて腕や脚を回してみたり。
揉むほどの筋量がないところは
中強の程の圧で擦ったり。
反応をよく見ながら大切に触れる。
右も左も膝が伸びきらない。
無理に動かさずありのままで施す。
『いやぁ~気分がいい』
『そこそこ、効きます、そこ、はい。』
痛いですか?大丈夫ですか?と聞くと
『気持ちがいいです…』
目をつむりながら
一手一手を噛みしめていました。
かと思うと、
だんだんと、色んなお話をしてくれました。
このお体で、ひとり暮らしをされていると聞いて
「え、すごーい!!」と思わず私。
すると笑顔で
『今年もニシン漬け漬けたんだよ、
息子の嫁さん喜んでくれるからね。
たくあんはもう諦めたんだけれども。』
少し得意気にお話をしてくれました。
小学校の先生をしていたそうです。
最近あった胸を締め付けるような
教育現場のニュースの話を始めました。
『けしからんよ。』
私から見えた横顔はきっと
眉間にシワをよせていた。
私の子供の学校の様子を少しお話しすると
『今の教育現場は昔と違う。
先生の負担が大きくて、どうだ?って話聞いたら
先生が泣き出すんだから。
保護者の目にもびくびくしてますよ。』
引退してからも、そういう会合に
呼ばれることがあったそうで
こんな風にその時のお話をしていました。
私のことも
色々質問してくれて。
心配してくれたり
えらいねって言ってくれたり。
なんだろな、
あったかいんだよな。
優しいんだよな。
品があるっていうのかな…
そんなこんなであっという間の60分。
笑顔を見れてよかったし
私も癒されてる😌
『マッサージしてもらうとやっぱり気分が違うね。
遠くからありがとうございます。』
『今度も呼びたいから番号書いてもらおうかな。』と
ホテルのメモ帳とペンを探しゆっくり
手渡される。
「旭川マッサージ ゆか」と
大きい文字で電話番号を書いた。
この令和の時代に
アナログを感じて、一周回って新鮮だった。
92年と言う歳月を共にしてきた
そのお体に起きている全てを受け入れて
それでも気持ちは元気に生きている。
大きな視点で
広い心で
世の中を見ている。
少しの時間だけど
私はそう感じた。
介護施設で施術させていただいていた時も
同じこと感じたことがある。
体は不自由になっても
知識と経験は何にも奪われることはないんだなって。
良いも悪いも生きざまが出るような気がして
私は
どんなおばあちゃんになりたいかを
考えさせられたこと思い出した。
お部屋を出る時
「次、会えるの楽しみにしてます!
お大事にしてお元気でいてくださいね!」と私が言うと
『ありがとう。良いお年を。』と笑顔で
右手をゆっくり上げてくれた。
昭和のかおりがした?
亡くなったおじいちゃんを感じた?
何とも言えない
すごく尊い時間でした。
出会いに感謝!
ありがとうございます😌💓